東京には現在、370万人の一人暮らしの人々が暮らしているそうだ。そのうちの約7割が現役世代という現実は、「一人暮らし=高齢者」という従来のイメージを覆し、大きな驚きを感じた。
綾瀬はるか主演のテレビドラマ『ひとりでしにたい』が注目を集めている背景には、こうした社会の変化があるのだろう。自由や気楽さを求めて一人暮らしを選ぶ人がいる一方で、孤独死という現実もまた、静かに広がっている。
先日、ある女優が自宅で亡くなっていたことが報じられた。発見は死後2週間後。猛暑の中であったため、遺体の状態はどうだったのうだろうかと案じた。近隣住民や所属事務所が異変に気づくまで、誰にも知られなかった命。都市における個の尊重は、時に誰からも見守られない「孤」を生む。
文京教会では、一人暮らしの会員を対象に「見守りサービス」を行っている。これは「特定非営利活動法人 エンリッチ」の協力をいただいているもので、一人暮らしの方に定期的にメールが届くサービスである。メールを受信した人は、「OK」ボタンを押すだけで、安否の状況を知らせることができる仕組みになっている。仮に「OK」ボタンが押すことができなかった場合には、その方に電話をしたり、訪問したりして安否確認が確実に行えるようになっている。
今日、会員宅を定期的に訪問することはなかなか難しい時代である。メールと言えども、対象者が多くなれば、発信者には大きな負担が生じることがある。
それが負担もなく、定期的に、確実にメールが届くというのはありがたいサービスだと感じている。この「見守りサービス」は、本来の安否確認という目的もあるが、サンガ同士のつながりを守る意味でもよい仕組みだと考えている。他の教会でも検討されてはどうかと思う。
近藤雅則