両親の夫婦ゲンカのおかげさま

先日、主人と息子のことで教会長さんに話を聞いていただきました。
息子が主人を激しい言葉で責め立てるようなことがあったのです。
主人は、ただ黙って聞いていましたが、傍で聞いていた私は辛く、「息子を何とかしたい」という思いでいっぱいでした。

教会長さんは、一通り聞いたのち「一度、ご主人の気持ちを聞かせてもらったら」と言葉をかけてくださいました。
その時、私はハットしました。主人の気持ちを聞かせてもらおうという思いはなく、主人に対して冷たい自分だったと気づかせていただいたのです。

さっそく、主人の気持ちを聞かせてもらおうと話かけてみました。
すると、主人は子どもの頃の話をしてくれました。当時、主人の家では、両親の夫婦ゲンカが絶えなかったそうです。それは物心ついた頃から父親が亡くなった中学3年生まで続き、主人にはすごく辛い経験のようでした。

私たちが結婚した時に、「ぜったい夫婦ゲンカはしない」と、主人は言いました。結婚して47年目になりますが、その言葉通り、私は主人から怒鳴られたことはなく、大きなケンカもしたことがありません。それが当たり前だと私は思っていたのですが、あらためて主人の心の大きさを感じました。

このことを主人に話したら「そのように思ってくれたの」と、少し嬉しそうな顔をしました。これまで聞いたことのない主人の気持ちをわずかでも理解できたようで、私自身も嬉しい気持ちになりました。
また、両親の夫婦ゲンカのおかげさまで、私たちはケンカのない夫婦でいられたことにも気づかせていただきました。

この出来事を通し、話をそのまま聴いていただき、正しいものの見方・受けとめ方を教えて頂くとことの功徳と大切さをあらためて感じました。ありがとうございました。

(川上陽子)