心に灯をともす人に

 先日、レストランで食事をしていた時のことです。
隣のテーブルで、3人のおばあさんがおしゃべりに花を咲かせていました。
聞くとはなしにその会話が耳に入ってきました。

一人のおばあさんが「最近の若い人は結婚しても、子どもを作らない人が多くなっているらしいわよ。困るわねー」と、ため息交じりに話しました。
これは、このまま高齢化社会の深刻な話題に発展するんだなと思った私。
 するともう一人のおばあさんが、「いいじゃないの。若い人は若い人たちなりに考えてそうしているのよ。私たちだってそうじゃない。こんな風に、思い通りに出かけられて、食べたいものを食べて、仲良しの友達とおしゃべり出来て。私なんて、94歳よ!
昔じゃ考えられない事よ。
」と、朗らかに言ってのけたのです。

 その瞬間に他の2人のお友達も、そして隣の聞き耳立てていた私も、何とも明るい気持ちになったのは言うまでもありません。話は、今こうしていられることへの感謝へと展開していきました。きっと、お食事の味もより美味しくなったことでしょう。

 目の前の出来事を不満でとらえるのではなく、希望や感謝でとらえることは、心を豊かに明るくします。そして、それは自分だけにとどまらず、周りの人を明るくし、社会を明るくしていく大切なことだと、94歳のおばあさんに教えて頂きました。

(Y・O)